マーケティングの知識を付けたいけど、どこから手を付けていいかわからない。そんな人にお薦めの書籍がこれです。「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」。分かりやすいストーリーと解説で、誰でもマーケティングの基礎を学べます。
佐藤義典さんによる書籍「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」を読みました。
入社したての女性社員が、 潰れかけのレストラン事業を任せられ、苦労しながら再建していく物語です。主軸になるストーリーを小さなレストランの物語にしたのは、そこに会社経営のすべてが凝縮されているからだそうです。
この本は、小説が1章終わると、 その章に出てきたマーケティング戦略について、 著者の解説が続く構成になっています。
今読んだばかりのストーリーを復習することが出来るので、とても頭に入りやすい構成になっています。
わかっているようでわかっていないマーケティングを、シンプルなストーリーで解説しているので、初めてマーケティングを学ぶ人に最適です。
なお、この本は、同じ著者による書籍「ドリルを売るには穴を売れ」をバージョンアップした本だそうなので、そちらを読むつもりだった方は、こちらの本を読んだ方が良いでしょう。
マーケティングの5つの最重要理論
この書籍にはマーケティングの5つの最重要理論について解説されています。以下がその5つ。
- ベネフィット(顧客にとっての価値)
- セグメンテーションとターゲティング(顧客のくくりかた)
- 強み・差別化(競合との価値の差)
- 4P(売り物、売り方、売り場、売値の4つのP)
- 想い(世の中にどう役に立ちたいのか)
この中で、一番印象に残ったのが、 「セグメンテーションとターゲティング」。 このことについて触れたいと想います。
20代女性というくくりでは商品は売れない
84ページに
すべてのお客様のニーズに対応することは不可能
とあります、これは誰でもわかることです。100%のお客さんすべてに商品を買ってもらうのは不可能です。なので、まずはお客さんを区分けして、どのお客さんに商品を売るのかを考える必要があります。
代表的な区分け方法としては、年代別で分ける方法があります。
アンケートや○○総研などのレポートでも 年代別に意見が掲載されていることが多いですね。例えば、20代女性、30代男性とか。
しかし、そういった区別ではお客さんのニーズはわからないそうです。
例えば、「20代女性」というカテゴリーの中には、20歳になりたての女子大生もいれば、残業に忙しい25歳のOLもいます。子育て中の29歳のママもいるでしょう。この方々が全員同じニーズであるわけがありません。
ですので、世代や性別でお客さんをくくるのではなく、 ニーズ(「求める価値」や「使い方」)でくくるのが良いそうです。
88ページにこうあります。
「時間がないから10分で昼食をすませたい」というニーズを持つ40歳男性は、「ゆっくりと同僚と話がしたい40歳男性」より、「時間がないから10分で昼食をすませたい」というニーズを持つ20歳女性に近いのです。「ゆっくりと同僚と話がしたい」という40歳男性は、「ゆっくりと友人と話がしたい」という20歳女性のニーズに近いでしょう。年齢や性別ではなく求める価値でくくればよいのです。
なるほど、恥ずかしながらこの視点はありませんでした。
確かにそうです。 同僚女性と全く趣味が合わないOLもいるでしょうし、昭和40年代男のよしぞうと同じ商品を好む女子高生もいるでしょう。販売ターゲットは、年代ではなく、ニーズで分けるべきなのです。
ブログ運営もターゲットを絞るべし
ブログを運営する場合、 ブログの本やアフィリエイトの本には「ターゲットを絞りなさい」と書かれています。
確かにその通りで、よしぞうもそうしてきたつもりでしたが、 先ほど述べた視点がありませんでした。
このブログは「40歳以上の男性」をターゲットにしています。 ですが、ビジネススキルを上げたい20代女性や若い男性も読んでくれているかもしれません。
そう考えると、読んでいるのが「おじさんばっかり」と考えるよりなんか楽しい(笑)。
ブログの運営について、もう少し考え直してみたいと思います。
あなたも、ご自身のビジネスやブログ運営において、 どんなニーズのある人々が支持してくれているのか、考えてみてはいかがでしょうか? 上記の視点は新しい発見があると思います。
「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」はこんな人にお勧め
書籍「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」はこんな人にお勧めです。
- 初めてマーケティングを学ぶ人
- 難しい本が苦手な人
- マーケティング部に異動したばかりで、とりいそぎ概要を掴みたい人
など。
シンプルな小説を読むだけで、マーケティングが学べる、大変良い本ですのでお薦めです。