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おすすめ漫画!今更だけど「20世紀少年」を読破したら面白かった【ネタバレ】

面白い漫画をお探しなら、今のよしぞうはこれをお勧めします。今更なのですが、マンガ「20世紀少年」を全巻読破しました。いやあ、面白かった!まだ読んだ事が無かったら読んでみてください。おすすめです。一度読み始めたら止まらなくなる面白さでした。この記事は完全にネタバレしますのでお気をつけ下さい!

今更ですが漫画「20世紀少年」を読みました、面白かった!

皆さんこんにちは、よしぞう(@otonahack)です。

今更ですが、漫画「20世紀少年」を読みました。これが面白かった!

よしぞうは20代以降、ほとんど漫画を読んでいなかったので最近様々な漫画を読み始めています。10代までは「ストップ!!ひばりくん! 」や「北斗の拳」など、ジャンプ系を浴びるほど読んでいたんですけど、その後、その反動なのか全く読まなくなってしまいました。

そして、この年になって、また逆の反動が出てきました(笑)。漫画にはまっています。

で、手にしたのが浦沢直樹さんの「20世紀少年」。こんなシリアスな話だとは思わなかったので驚きましたが、面白く読めました。謎が謎を呼ぶ展開は飽きさせないし、見せ方が上手です。未読の方は是非読んでみてください。

なお、この記事は、ネタバレの内容を含みますのでご注意ください。

今更だけど漫画「20世紀少年」を読破したら面白かった【ネタバレ】 目次

大阪万博など昭和30年代生まれなら楽しめると思う、よしぞうは40年代生まれだけどね

物語の舞台は昭和40年代、大阪万博が開催された1970年を中心としたお話です。主人公「ケンヂ」達は10歳前後なので、昭和30年代に生まれた人と同世代です。

「鉄人28号」「ボーリングブーム」「大阪万博」「ウルトラマン」「ナショナルキッド」等が出てくるので、昭和30年代生まれの人には胸アツな時代設定になっています。

残念ながら、よしぞうは40年代生まれなのでひと世代若いです。なので少しピンと来ませんでしたが、ストーリーは充分楽しめました。大阪万博って子供の頃憧れましたよね。後になってから「何でもう少し早く生まれなかったのか」と、悔しがった記憶があります。

浦沢直樹さんは昭和34年生まれなので、まさに作者自分自身が育った時代のようです。

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過去と現在が交互に出てくる演出が効果的!

腕時計の画像

冒頭から引き込まれます。

物語の最初に、未来と思われる場面が数ページ描かれ、その後、本編の物語が始まります。読者はその未来の場面がずっと謎として心に残り、気になって仕方ありません。

この漫画は常に、ケンヂ達が大人になった時代と、少年だった過去の場面が交互に登場します。その演出が見事に効果を発揮しています。

主軸の物語は「子供の頃に思いついた計画をもとに、大人になった同級生『ともだち』が世界征服を計画する」ストーリーです。その「ともだち」が一体誰なのか大人になったケンヂ達には分かりません。

必至に過去を思い出そうとする過程で、過去の出来事がストーリーに登場します。それを読む事で読者にも徐々に謎が解けていく仕組みになっています。とても上手な演出だなあと思いました。

この演出方法は、一歩間違えば散漫で分かりづらい話になってしまいますが、「20世紀少年」では見事に効果を発揮しています。この漫画には映画的な演出を感じました。

ちなみに、前に出てきたネタフリが伏線として後になって生きてくる事が多々あるので、「あれ?これってどこかで出てきたよな!」という場面に何度も遭遇します。漫画全巻を手元に置いておかないと頭の中でモヤモヤしてしまいますので、全24巻を手に入れて一気に読む事をお勧めします。

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常に先が読みたくなるほど謎が沢山で飽きさせない

やはり週刊漫画で連載していたからでしょうか?次から次へと読みたくなります。

毎週読者を引きつけておくのは週刊漫画の命題です。謎を追うストーリーという設定もあるでしょうが、1巻読んだら、また次の1巻が読みたくなり止まらなくなります。謎が多い漫画は読んでて面白いですね。

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最後はちょっと暴走したけど許す

物語の最初の頃は、謎やトリックを読者に明かす描写が多く、わりとちゃんとしてるんだと思っていたのですが、最後の方はちょっと強引な展開で暴走した感がありました。

カンナと万丈目が超能力でやり取りしちゃうし、なぜかケンヂにピストルの弾が当たらないし、ケンヂの歌で何十万人も集まっちゃうし。ちょっと都合が良すぎるなあという部分が多くありました。もうちょっとリアリティを出してほしかったな。

「ともだちランド」のバーチャルリアリティも、小泉響子が入る際は「死ぬかもしれない」的な恐ろしさがあったにもかかわらず、カンナやヨシツネが入る際はアッサリと入るし、血が出るほどの思いででてくる訳でもない。あの血だらけの床は何だったんだよ!(笑)。

まあ、漫画なので都合が良い展開になるのは仕方ありませんね。。。。そういった突っ込みどころも多くありますが楽しめる漫画です。

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謎は全部解決しない感じがまた良い

エヴァンゲリオンのように、多くの謎の答えが読者に開示されずに終わってしまいます。

この方法は賛否両論ありますが、よしぞうは好きです。読者の判断にゆだねるというのは表現者にとっては1つのテクニックでもあります。

エヴァがあれだけ話題になったのも、謎が謎のまま放置されたからですし、すべてが分かってしまうと急に面白さが半減する事もあります。逃げなのかもしれないけど、作品のカリスマ性を高めるにはいい方法だなと思います。

「20世紀少年」では、2代目の「ともだち」であるカツマタ君に関する描写はとても少なく、謎のままです。

これって、この漫画の根底に流れているテーマのような気がします。「20世紀少年」は薄い存在であった少年の物語です。だからこそ最後のラスボスは描写が少ない設定にしたのではないでしょうか?

ケンヂをはじめとする同級生達もよく覚えていない、読者にも全てを知ってもらえないカツマタ君。とても悲しい存在である事を表現しているような気がしました。

しかも顔がフクベエと瓜二つであることも、存在の希薄を表現しているように思えます。

もう1人の薄い存在であるサダキヨには多くの描写があるので、なおさら意図的な物を感じます。謎のままだからこそ、カツマタ君というキャラが生きてくるのでしょう。

読者も「カツマタ君ってどんな奴だったんだろう?」と想像を巡らせます。

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1971年の謎とは何だったのか?カツマタ君の下克上?

虫眼鏡を持っている少女

理科室でフクベエが首つりのトリックを披露する際、最後は失敗してしまいます。その場にいたのはヤマネとお面の子。お面の子はカツマタ君だと思います。発言や態度がサダキヨのそれとは違います。

大人になってから理科室に集まった際、ヤマネは「『ともだち』はここで死んで、ここで生まれた」というような趣旨の発言をします。

理科室でフクベエの失敗を目撃したカツマタ君は、フクベエの弱みを握ったのではないかと推測されます。

プライドの高いフクベエですからこの話を言いふらされたくない。なので、交換条件や交渉の末、彼らの上下関係が逆転。これまでフクベエからは、ほぼ死人扱いされていたカツマタ君ですが、この日を境にカツマタ君がフクベエに対してあれこれ支持できる立場になったのではないでしょうか?

ヤマネの台詞を借りれば、「死んだ『ともだち』はフクベエ、生まれた『ともだち』はカツマタ君」となるのではないかと思いました。『ともだち』として信者の前に出るのはフクベエですが、実はカツマタ君が本当の『ともだち』で、ずっと黒幕として操っていたのかもしれません。

カツマタ君はフクベエとともに宗教団体結成当初から行動を共にしていたようなのですが、高須をはじめ、幹部達はカツマタ君の存在を知らなかったようです。顔を見て驚くくらいですからね。カツマタ君はずっと裏に隠れていたとしか思えません。もしくはフクベエ死後に顔を整形したのか? うーん、謎だ。

読み直して検証していないので、よしぞうの妄想としてお考えください。

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よしぞうが1番すきな伏線の解決はこれ!

この漫画には多くのネタフリ(伏線)があります。その中でも、一番好きな伏線の解決があります。それはケンヂが学校の放送室からT-REXの「20th Century Boy」を大音量で流す部分。

1巻冒頭だったと思います。その伏線の解決が一番最後の巻に出てきます。物語を通して一番長い伏線と言ってもいいでしょう。

「何かが変わる」と思って放送室から大音量でロックを流したケンヂでしたが、結局何も変わりませんでした。しかし、最後の巻で大きな変化があった事が分かります。

屋上で金網に上って飛び降りようとしていたカツマタ君が「20th Century Boy」を聴いて思いとどまるのです。

ここでカツマタ君が屋上から飛び降りていたら「ともだち」の計画も大きく変わっていたかもしれません。こんなに長く、そして物語に大きく影響を与える伏線のはり方はスゲーなと思いました。

あ、今思ったのですが、カツマタ君はマーク・ボランにとってのトニー・ヴィスコンティみたいな存在なのかも。。表にでないけど陰で支えてる、というか、彼がいないと成立しないとか、そんなイメージなのかな。

個人的にはT-REXよりもツェッペリンの方が「何かが変わる」感があると思います。「20th Century Boy」もいい曲だけど、史上最高のロックバンドは?と訊かれれば迷わずレッド・ツェッペリンの名を挙げます。

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余談だけど「二十世紀少年読本」という映画が好きだった(ネタバレ)

たぶん「20世紀少年」とは全く関係ないと思いますが、林海象監督の映画に「二十世紀少年読本」という映画があります。20代の頃、林海象監督が好きでよく見ていました。

この映画のラストシーンも読者に判断をゆだねる形で終わっています。

逃避行を続けた主人公二人が行き着くところは、主人公が生まれ育ったサーカスのテントでした。あれは本当にサーカスに帰ったのか、それとも二人にとってのパラダイス(天国)の暗喩なのか、答えは作った人にしか分かりません。

世の中には「謎が全部回収できてない!」と怒る人もいますが、そんな事はどうでもいいんじゃないかなと思ってしまうよしぞうです。

おそらく、漫画「20世紀少年」に関しては、冒頭に未来のシーンが描かれているように、作者の浦沢さんはある程度のストーリーと裏付けを最初作っていたと思います。謎の答が読者に提示されていないからと言って謎が回収できていないとは限りません。制作側ではすべての答えが設定されていることも多々あります。

「仮面ライダー響鬼」の本を読むと分かるのですが、子供向け番組でもかなり本気で裏側の設定を構築しています。目に見えないからと言って、設定が破綻していると思ってはいけません。

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まとめ ストーリーの運び方、演出など大人の鑑賞に堪える面白い漫画です

「20世紀少年」は面白いのでお勧めです。殆んどの方が既読だろうし映画も見ていると思いますので今更感がありますが、未読の方は是非読んでみてください。映画と漫画は多少設定が違っていますので、映画を見た人も読んでみてはいかがでしょうか?

漫画「20世紀少年」のまとめ

  • 過去を振り返る演出が良い
  • 謎に引き込まれ、先が読みたくなる
  • 全巻を手元に置いて読むべし!